抄録
現在心理学において注目すべきバイオフィードバック(biofeedback: BF)研究として,本稿では心拍変動(heart rate
variability: HRV)BF とウェアラブル活動量計に関する研究をとりあげる.前者は呼吸性の HRV が最大となる共鳴周波数において呼吸を行うことで,HRV を最大化する手法であり,喘息や高血圧など身体的症状の改善,不安やうつなど心的症状の改善が報告されている.ウェアラブル活動量計は,本来活動量を測定するものであるが,近年は心拍数の 24 時間測定や,睡眠の評価機能も付与され,効果的な行動変容ツールとして機能しつつある.HRV に関する研究の進展とウェアラブル機器の普及により,BF は単なる生理指標制御手法から,より総合的なウェルビーイング向上手段へと変化しつつある.