バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
霊長類における色覚の進化史と現代人の色覚多様性
平松 千尋
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2024 年 48 巻 1 号 p. 15-21

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抄録
普段何気なく見ている世界に色彩が存在することには,祖先生物における偶然の遺伝的変化と,環境への適応の積み重ねが反映されている.光の波長情報の変化検出を担う色覚機能は,生物が生息する環境や色覚の用い方によって多様化している.2 色覚から3 色覚が進化した霊長類においても色覚の遺伝様式およびその機能は多様であり,色覚の適応的意義を探る研究が続けられている.ヒトの色覚にも多様性があるが,個々人の色の主観的体験を色弁別能から知ることは難しい.
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© 2024 バイオメカニズム学会
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