抄録
Non-abelian anomalyは,非可換ゲージ理論の量子論におけるBRS対称性の破れととらえるべきであるとの観点に立って,Slavnov-Taylor identityの破れの可能性について考察する。Zuminoによるdescent equations及び二重複体に関するコホモロジー理論について簡単に復習した後,いくつかの仮定をおいて,Slavnov-Taylor identityの破れの項をコホモロジー的に決定する。フェルミオン場,反対称テンソルゲージ場を含む破れの項は現われないことが示される。