抄録
20世紀に創出された産業である航空機,通信,コンピュー夕産業などの特徴は,システム複雑性をもつことである.システムとしての製品を設計する際重要なのは,要素技術の性能もさることながら,製品システムをサブシステム間にどのように分断し,どのようなインターフェースを設定するか,ということであろう.しかし,無数に存在する分断方法の中から最適な分断方法を発見するのは容易ではなく,システム全体に関する豊富な知識,経験が必要とされる.したがって,適切な分断方法の選択の背後には,ある種の学習メカニズムが存在するはずである.本稿ではそれを,分断による学習として概念化を試み,その有効性と説明力について考察する.