2006 年 40 巻 1 号 p. 51-59
経済のグローバル化,知識経済化の進展の中で,世界的な競争を勝ち抜くために日本企業のグローバル経営のあり方が問われている.今後,日本企業はそのグローバルな経営プロセス上で経営資源の最適な組み合わせにより,グローバルにダイナミックな競争力をどう確保するかが課題となってきている.本稿においては,主に組織能力の観点から構成した日本企業のグローバル経営とイノベーションのための全体フレームを提示するとともに今後の日本企業のグローバル経営の課題と対応の方向,また,それを規定するグローバルイノベーションの実現に向けての論点を整理して,今後の日本企業の対応の方向を明らかにする.