抄録
脛骨骨幹部開放骨折に対して髄内釘で手術し16年後に慢性化膿性骨髄炎となり,髄内釘を抜去後に髄腔内持続洗浄を行い軽快した1例を報告する.患者は82歳,男性.16年前,耕運機に巻き込まれて左脛骨骨幹部開放骨折を生じ,髄内釘を挿入した.術後感染兆候はなかったが,術後14年となる2年前から骨折部付近の皮膚に瘻孔が出現し浸出液漏出が続くため受診した.CTで髄内釘近位端周囲に骨溶解像があり,骨折部には僅かな非癒合部を認めた.髄内釘周囲全体に慢性骨髄炎があるが抜釘しても荷重可能と判断した.径10mmの髄内釘を抜去したあと径13mmまでリーミングして髄腔内の軟部組織を可及的に除去してドレーンを留置する手術を行い,術後は髄腔内を持続洗浄した.2週間後には瘻孔が閉鎖して全荷重歩行とした.術後1年の現在,瘻孔や浸出液の再発はなく単純X線像で骨髄炎の再発も認めない.