島根県立中央病院医学雑誌
Online ISSN : 2435-0710
Print ISSN : 0289-5455
症例報告
爪外傷後の経過フォロー中に乳児に発症した爪白癬の1例
中村 彩芳井上 真一松本 紘子貝田 亘三原 祐子
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2025 年 49 巻 p. 61-65

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抄録
症例は1歳女児. 数カ月前にシュレッダーに左第1趾が挟まれ, 爪甲と爪床の断裂を受傷し縫合処置を行った. 創傷治癒は良好であり, 爪甲の成長を外来で観察していた. 受傷から5カ月後に左足全趾に爪白癬を発症した. 小児の爪白癬の有病率は低く, 渉猟する限り乳児で片側の全趾に病変を認めた報告はないが, 外傷は爪白癬の原因の一つとして知られる. 本疾患は爪甲の健全な成長を阻害し外傷後の変形しやすい爪甲への影響も大きい. 本症例ではケトコナゾール外用にて改善を認めなかったが, 小児への使用経験の少ないエフィナコナゾールの外用による治療にて良好な結果を得ることができた. 文献的考察を含めて報告する.
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