今日,個人請負就労者は不安定就労で低所得であるにもかかわらず,労働法の適用対象から除外さている。また安倍内閣の下で,「雇用関係によらない働き方」の拡大が狙われており,個人請負就労者の労働問題への対策が喫緊の課題となっている。 現状では日本の個人請負就労者に対する保護政策は皆無であり,彼らが労働者としての保護の権利を享受するためには自らの労働者性を裁判によって認めさせることが条件となる。つまり,彼らはどんなに低収入,長時間労働であっても労働者性が認められなければ,保護を受けられない。本報告は,こうした裁判闘争というもぐら叩き的対応を乗り越える新たな保護政策のあり方の可能性を検討するものである。これにより,裁判闘争を通じて労働者性が認められる条件・要素を具体化し,その条件・要素をもつ個人請負就労者の量的把握および就業実態の分析を行うことが個人請負就労者の保護政策に新たな展開をもたらす点を明らかにする。