2019 年 11 巻 1 号 p. 68-73
1999年の第87回ILO総会において,ディーセント・ワークがILOの主目標と位置づけられてから20年をむかえる。日本においてはこの間,その実現に向けて取り組むことが十分になされてきただろうか。20年間の政策動向からは,多様な働き方を肯定するとしつつも,現実に取り組まれている働き方改革等は経済成長を加速させることが主目標となっており,本来的な人の尊厳を保つ政策には至っていないといえよう。
ディーセント・ワークの真の推進をはかることが,多様な人々の社会参加と生活保障となることを,今一度再考すべきであろう。