今回の共通論題の目的は「日本社会において教育が担ってきた機能について,社会的投資戦略の視点から検討する」であるが,それにあたって本報告では,日本における社会的投資戦略研究の動向を概観したうえで,社会政策研究における教育政策の分析枠組みを提示した。それは端的に言えば,社会的必要の充足を目的とした政策論の提示である。政策論は基本的に「資源論」として,資源配分の効率性と平等性という観点からエビデンスを提示しなければならない。そしてそのエビデンスをもとにして社会的必要の充足に関する理念やビジョンをめぐる「精神論」が展開され,そこからより良い制度への改革を目指す「制度論」が導かれる。