社会政策
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小特集3 学生アルバイトの実態と問題点:基幹化・シフト制・ブラックバイト
学生アルバイトをめぐる外食チェーン店舗運営の日独比較
――ハンバーガーショップを事例に――
田中 洋子
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2024 年 16 巻 1 号 p. 159-171

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抄録

 日本で最も非正規雇用割合が高い業種は飲食業である。特に外食チェーンでは低時給の学生アルバイトを中心に店舗が運営されている。このことは、働く人を含め日本社会で当然のように受け止められ、研究も行われてこなかった。これに対し本論文では、グローバルに展開するハンバーガーショップを例に、日本とドイツで実際の店舗がどのような労働力構成で、いかなる賃金・昇給システム下で運営されているかを明らかにする。仕事内容や習熟・昇格過程は同じであるにもかかわらず、日本では学生アルバイトやパートに低賃金のままマネジャーの責任が任されるのと対照的に、ドイツでは、無期雇用のフルタイム正社員が8割前後を占め、企業内教育により長期的に店長へ昇格・昇給する内部昇進制がとられ、長期勤続で帰属意識が高い、あたかも「日本的雇用」が実践されていることを示す。この現場比較を通じて、非正規中心でなくとも店舗は順調に運営できることを論じる。

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