2024 年 16 巻 1 号 p. 76-87
ひとり親家庭に対する支援は拡充しつつある。就労支援メニューは多彩になった。子どもに対する学習支援や子育て支援の事業も増加した。離婚前相談や離婚後の養育費確保支援について相談窓口が制度化し、設置されるようになった。しかしながら、多くのひとり親家庭は生活状況が厳しいもかかわらず、制度の利用に至っていない。特に新型コロナウイルス感染症による経済の悪化はサービス業に従事する非正規雇用のひとり親家庭の多くの母親の就労状態や収入に影響した。また、不登校児の増加も報告されている。しかし、子育てや生活に課題のあるひとり親家庭が行政の相談窓口や支援機関に相談に出向くことは少ない。
そこで、ひとり親家庭の子育ておよび生活実態とソーシャルサポートの関係性に着目した。本報告はひとり親家庭を対象とした調査データから制度利用の課題についてひとり親家庭を取り巻くフォーマル、インフォーマルなサポートとの関係を考察する。