2026 年 18 巻 1 号 p. 115-127
本稿では、労働者の通算キャリアから技能蓄積を類型化し、昇進との関係や労働者がどの技能蓄積に割り当てられるかの規定要因を分析し、技能形成と昇進との関連を明らかにする。そのため、本稿では「ライフキャリア実態調査(2022年追加調査)」の二次分析を行った。
第一に、20代から40代の仕事経験の組合せに着目すると、30代以降、特定の職能で専門性を向上させる「一職能深掘」と20代からの働き方の延長を行う「一職能幅広」「一職能一業務」「複職能」の4つの類型が確認された。第二に、「一職能深堀」が、「一職能一業務」「一職能幅広」と比べても昇進する一方、「複職能」とは課長以上の昇進で拮抗する。第三に、「一職能深堀」への割当は学歴や中3成績という、潜在能力により割り当てられている。
この結果は、技能蓄積は幅広さだけでなく、高度さを伴う必要があり、こうした技能形成の軌跡への割当は潜在能力により規定されていることを示唆する。