社会政策
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現代における労働者自主生産運動の特質 : 自主生産ネットワークの事例から
杉村 めぐる
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2010 年 2 巻 2 号 p. 72-84

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抄録

本稿は,労働者自主生産運動という新たなタイプの労働運動が1970年代以来再び興隆してきたことに着目し,その現代的特質について考察することを企図している。端的に言って,現代の自主生産運動の特質は自主生産ネットワークという自主生産企業同士の相互扶助ネットワークを構築することで自主生産企業に内在する市場競争上の脆弱性を補完している点に求めることができる。そしてこのネットワーク機能によって自主生産企業は厳しい事業運営下にあっても存続が可能になったのであった。ただ,現代の自主生産運動には組合上部団体の自主生産企業への支援体制が十分ではなく,またメンバー事業体の中で労働者企業としての理念が必ずしも共有されていないという課題も残されていた。自主生産ネットワークの今後の発展のためにはこれらの課題の克服が求められている。

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© 2010 社会政策学会
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