名古屋文理短期大学紀要
Online ISSN : 2433-6548
Print ISSN : 0914-6474
テキスチャに基づいて設計されたサブバンドフィルタによる画像符号化
横田 正恵横田 康成
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1998 年 23 巻 p. 15-23

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抄録
領域分割符号化が次世代の高能率符号化法として着目されている。領域分割符号化では,分割した領域ごとのテキスチャ情報を効率的に符号化することが主要な課題の一つである。近年,AR(1)過程に対し符号化利得を最大にするよう設計されたサブバンドフィルタを用い画像をサブバンド符号化すると,QMF, SSKFなどのサブバンドフィルタを用いた場合に比べ再構成画像のS/Nを改善できることが示された。しかしテキスチャの統計的性質はテキスチャごとに大きく異なり単純なAR(1)過程ではない。従ってテキスチャ画像をサブバンド符号化する場合,テキスチャごとの統計的性質に基づいて設計されたサブバンドフィルタを用いることにより更に符号化効率が向上すると思われる。本研究では,テキスチャの自己相関関数に対し符号化利得が最大になるようサブバンドフィルタを設計し,これを用いてBrodatzに含まれるテキスチャ画像を符号化した。その結果,AR(1)過程に対し設計したサブバンドフィルタを用いた場合,及び直交ウェーブレットフィルタを用いた場合に比べ,S/N比が改善することを示す。
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© 1998 名古屋文理大学
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