2016 年 8 巻 1 号 p. 165-178
本研究は,協同組合が福祉供給主体の1事業形態として適当である理由として,新しい協同組合で観察されるコ・プロダクション(Co―production)の本質を明らかにすることを目的とする。コ・プロダクションとは,公的なサービス生産過程における自発的な利用者と専門家による協働がサービスの質や量を高めることを意味する概念とされている。本研究では,第1に,各論者によって様々に用いられているコ・プロダクションの概念を分析し,欧米と日本での概念受容の差異を説明する。第2に,コ・プロダクションの典型事例としてスウェーデンの親協同組合就学前学校,新事例として日本の医療福祉生活協同組合を取り上げる。そして,その効果を分析することを通して,コ・プロダクションとは,ポスト福祉国家において,行政と専門家のサポートに基づく利用者主権を実現するサービス供給システムだと結論付ける。