社会政策
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小特集2■子育て支援労働と女性のエンパワメント
子育て支援労働をつうじた女性の主体化
―社会的・経済的・政策的エンパワメントの諸相―
相馬 直子堀 聡子
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2016 年 8 巻 2 号 p. 50-67

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抄録

 子育て支援労働(子育て支援というケアワーク)に携わることは,女性の社会的・経済的・政策的エンパワメントにどう機能するのか。社会的・経済的・政策的エンパワメント効果が高い支援者と低い支援者の特徴は何であり,その規定要因は何なのか。本研究は,子育て支援労働をつうじた女性の主体化をエンパワメントの視点から考察する。 生協総研調査をもとに分析した結果,⑴社会的エンパワメントにはミッションや組織のモチベーションが,⑵経済的エンパワメントには,経済的報酬額自体や報酬と活動とが見合っているかのバランス感が,⑶政策的エンパワメントにはイノベーション志向の認識(既存の制度にはない支援をする,地域や社会を変える)が,有意な規定要因であった。また,常に新しい技術・技能・知識の習得が必要と認識していると全エンパワメント効果が高まる。 子育て支援の多機能化が進む中,各エンパワメント効果の差のある主体間での相互連携が鍵となる。また,全エンパワメント効果が高い「主軸の子育て支援者」の低賃金から早急に解決すべきである。

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© 2016 社会政策学会
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