1.高齢者優先のシルバー民主主義を止めるには,多数派の高齢者も納得できる論理が要る。子どもや若者向けの政策充実は,労働力確保で高齢者の年金制度等の維持が目的と説得すべきだ。日本の高齢者が納得する論理を,高齢化でも家族・教育政策を充実したスウェーデンに本論は探る。2.スウェーデンは,①低所得者に税金が払える現金給付を支給し,給付に課税して課税ベースを拡大し,②高所得者も年金保険料本人負担ゼロとする普遍主義で,③負担者と受益者を分断せず,制度の政治的支持を高めた。3.スウェーデンが高齢化率世界最高の1990年代に高等教育費を充実し,年金を改革し,高齢者就労を促した背景を述べる。4.日本の高齢者の所得格差と貧困をみて,税・社会保険料研究の今後の課題を確認する。制度の政治的支持が弱まるため,高所得者への基礎年金支給額を削減すべきでなく,その年金への課税を検討すべきだ。以上を実現するためには組織改革も必要である。