抄録
本論文は, プロジェクトの計画時に特定することが困難であるリスク事象(Possible Risk Event)を実際に失敗したプロジェクトから分析し, かかるリスクの特定(Risk Identification), 定量化(Risk Quantification), リスクの対応策の作成(Risk Response Development)を他のプロジェクトに容易に適用可能なリスク・モデルとして構築する方法論をプラグマティク・リスク・マネージメント(PRM:Pragmatic Risk Management)として定義し, 提案する. また, ここでは, PRMを通して, 失敗したプロジェクトから導出されたリスク事象のうち, アプリケーションの仕様決定, パッケージを用いた開発など, 最近のプロジェクトの主要な失敗原因につながる可能性の高いリスク事象の4つのリスク・モデルを実例を踏まえて報告する.