抄録
現在、プロジェクトマネジメントの手法としては、米国PMIの提唱するPMBOKで採用されているクリティカル・パス法に代表される手法が主流にとなっている。近年、世界的に顕著な実績を上げ、日本でも注目を浴び始めたクリティカル・チェーン法によるTOC-プロジェクト・マネジメントは、従来の手法とくらべていくつかの際立った特長を持っている。本稿では、その特長に含まれている人間行動の特性について考察することにより、作業期間のバラツキ(遅延)についてみていく。プロジェクトの代表的な形態のひとつであるシステム開発において、この人間行動の特性を考慮することにより、納期短縮の新たな着眼点についても言及する。