抄録
アプリケーション開発のプロジェクトでは,要件定義フェーズにおいて顧客の要求を的確に把握することができないためにプロジェクトスケジュールの遅延,コストの増大を招く場合がある.要件定義フェーズ時,あるいはその後の開発フェーズにおいては顧客の突然の新規要求や要求の変化に対応するためにリスクマネジメントを行う.これまでリスクマネジメントの効果を的確に把握する手法がなく,後続プロジェクトのリスクマネジメントへ経験を十分に生かせないという問題があった.本稿では,発生したリスク事象に対する課題管理に注目し,課題に付随するスケジュールやコストの情報や,リスク事象の発生時期に焦点を当て,リスクマネジメントの評価を行う手法を提案し,検討する.