抄録
ITソリューションへの要請が更に高度化し,プロジェクト遂行の難度が上がるにつれ,ITプロジェクトの失敗も目立つようになってきている.その対応として,各企業では,失敗プロジェクトについて原因分析を行い,得られた教訓を活かす工夫をしている.ではその結果,失敗プロジェクト(あるいは,問題プロジェクト)の発生についての事態が改善されたか,という見方をした場合,残念ながら改善されていないと言わざるをえない.特に複合要因の検討が必要な場合,実際上,原因分析のみでは対応不充分である.本稿では,それら状況を整理し,根本的な課題を明確にする.