抄録
ヒドロゲナーゼは水素の分解および合成反応を触媒する金属酵素で、一般的に酸素によって不活性化する。しかし、最近、いくつかの種で酸素耐性を有するヒドロゲナーゼが見つかってきている。本研究では、新規に見つかった Citrobacter S-77 由来の [NiFe] ヒドロゲナーゼの持つ酸素耐性機構について詳細に解明することを目指しているが、比較対象として、酸素耐性を持たない硫酸還元菌 Desulfovibrio vulgaris Miyazaki F (DvMF) 株由来の [NiFe] ヒドロゲナーゼについても、酸化還元状態の変化により引き起こされる構造変化を調べている。ここでは、DvMF 由来 [NiFe] ヒドロゲナーゼについて、酸素による酸化によって生じる構造変化について調べた。