抄録
リチウムイオン電池(LIB)の不安全状態における熱暴走反応に伴う正極活物質を始めとする各部材の構造変化を観測するため、専用に設計した電池釘刺し装置により強制的に熱暴走させた LIB ラミネートセルに放射光を透過入射させるその場放射光 XRD 測定系を構築した。幅広の開口部を持つ CdTe 検出器を用いることにより、ゴニオメーターで検出器を動かすことなくミリ秒オーダーでの高時間分解連続露光を行うことができ、正極活物質の構造変化や集電箔の昇温挙動、反応機序をミリ秒オーダーで観測することが可能となった。