抄録
本研究では、熱電変換材料の候補物質である半導体 Mg2Si に対して、16 GPa(約16万気圧)までの高圧力下で遠赤外および中赤外領域の反射スペクトルを測定した。その結果、10 GPa 以上の圧力で反射率が急激に増加したが、これは圧力印加により Mg2Si のバンドギャップが閉じて金属化し、自由キャリヤ密度が急増したためと考えられる。一方、加圧により熱電変換性能の向上が過去に報告されていた 4 GPa 以下の圧力領域では、反射率の大幅な変化はなく、自由キャリヤによるプラズマ反射の立ち上がりが徐々に高エネルギーシフトするのみであった。これより、加圧による熱電変換性能の向上は、バンドギャップが加圧により少しずつ減少することに伴い、キャリヤ密度が徐々に増加することと関係していると考えられる。