抄録
過去の地磁気記録を定量的に理解するために、天然海洋斑レイ岩から分離した斜長石に含まれる磁鉄鉱インクルージョンについて、X線ナノ CT により三次元形状測定を行った。得られた形状に基づいてマイクロ磁気計算を行い、その磁気特性を調べた。200 μm 程度のサイズの斜長石に含まれる、
1 μm 弱の磁鉄鉱粒子を解像することができた。これらの粒子の磁化構造は vortex 状態であると推定されたが、バルク斜長石の分析から推定される均一な磁化を持つ磁鉄鉱粒子についての情報を得るためにはより高解像度な測定を行う必要がある。