SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
13 巻, 2 号
SPring-8 Document D 2025-005
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
Section A
  • 臼井 洋一, 加藤 千恵, 久保田 勇祐
    2025 年13 巻2 号 p. 53-57
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
     過去の地磁気記録を定量的に理解するために、天然海洋斑レイ岩から分離した斜長石に含まれる磁鉄鉱インクルージョンについて、X線ナノ CT により三次元形状測定を行った。得られた形状に基づいてマイクロ磁気計算を行い、その磁気特性を調べた。200 μm 程度のサイズの斜長石に含まれる、
    1 μm 弱の磁鉄鉱粒子を解像することができた。これらの粒子の磁化構造は vortex 状態であると推定されたが、バルク斜長石の分析から推定される均一な磁化を持つ磁鉄鉱粒子についての情報を得るためにはより高解像度な測定を行う必要がある。
  • 山本 祐輔, 野尻 正樹
    2025 年13 巻2 号 p. 58-61
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
     最近、環境中のヨウ化物イオン(I-)を分子状ヨウ素(I2)に酸化するヨウ素酸化細菌 Iodidimonas sp. Q-1 がヨウ化物イオン濃度の高い天然かん水や海水サンプルから発見・単離され、本菌株のヨウ化物イオン酸化能力は細胞外に分泌されたマルチ銅酸化酵素 Iox によるものであることが判明している。しかしながら、その分子機構についてまだ不明な点も多くその立体構造の解明が待たれている。そこで、本研究では、本酵素タンパク質の結晶化条件の探索ならびに予備的X線回折実験と、ヨウ化物イオンから電子を受け取る(酸化する)部位としてタイプ1銅部位が存在することを電子スピン共鳴分光法により確認した。
  • 佐伯 盛久, 中西 隆造, 大場 弘則, 松村 大樹, 辻 卓也, 吉田 将喜
    2025 年13 巻2 号 p. 62-65
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
     貴金属リサイクルプロセスでは、金属イオンを安定化させるために添加する強い錯化剤などの影響により、既存技術では対応が難しい難処理廃液の処理方法が課題となっている。廃液中での貴金属イオンの錯形成状態は、金属回収効率に影響することがわかっており、貴金属リサイクルを効率的に進める上で必須の情報である。そこで本研究では、実際の貴金属リサイクル工程で扱われている Au、Ag、Rh、Pd 廃液を模擬した試料のX線吸収微細構造スペクトルを測定し、標準試料データと比較することにより、実際の廃液中で貴金属イオンがどのような錯形成状態を保持しているのか調べたので報告する。
  • 森本 幸生, 伊中 浩治, 加茂 昌之, 古林 直樹
    2025 年13 巻2 号 p. 66-70
    発行日: 2025/04/30
    公開日: 2025/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
     20S プロテアソームは分子量 75 万、28 個のヘテロサブユニットから成る超分子複合体である[1]。本酵素は細胞内蛋白質分解酵素として種々の機能を発揮するが、その活性阻害剤は抗がん剤として利用できる[2]。本課題では、ヒト血液から単離した 20S プロテアソームと、阻害剤あるいは基質複合体を作成し、基質分解とその阻害機構の解明を目的とした。複合体は主に2量体を形成しており、粒子内部には基質あるいは阻害剤に相当する電子密度を見出すことができた。
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