抄録
最近、環境中のヨウ化物イオン(I-)を分子状ヨウ素(I2)に酸化するヨウ素酸化細菌 Iodidimonas sp. Q-1 がヨウ化物イオン濃度の高い天然かん水や海水サンプルから発見・単離され、本菌株のヨウ化物イオン酸化能力は細胞外に分泌されたマルチ銅酸化酵素 Iox によるものであることが判明している。しかしながら、その分子機構についてまだ不明な点も多くその立体構造の解明が待たれている。そこで、本研究では、本酵素タンパク質の結晶化条件の探索ならびに予備的X線回折実験と、ヨウ化物イオンから電子を受け取る(酸化する)部位としてタイプ1銅部位が存在することを電子スピン共鳴分光法により確認した。