抄録
貴金属リサイクルプロセスでは、金属イオンを安定化させるために添加する強い錯化剤などの影響により、既存技術では対応が難しい難処理廃液の処理方法が課題となっている。廃液中での貴金属イオンの錯形成状態は、金属回収効率に影響することがわかっており、貴金属リサイクルを効率的に進める上で必須の情報である。そこで本研究では、実際の貴金属リサイクル工程で扱われている Au、Ag、Rh、Pd 廃液を模擬した試料のX線吸収微細構造スペクトルを測定し、標準試料データと比較することにより、実際の廃液中で貴金属イオンがどのような錯形成状態を保持しているのか調べたので報告する。