抄録
炭素短繊維30 wt%で強化したPPS樹脂の射出成形平板から、繊維が一方向に配向した表面層を取りだした平板に、疲労き裂を導入し、負荷応力状態でき裂近傍の応力分布を計測した。き裂先端での母相応力の負荷にともなう増加量は、繊維配向に依存せず母相応力が疲労き裂進展を支配する物理量であることが明らかとなった。ついで、PPS、ガラス繊維、炭酸カルシウムを等量混合した3相複合材について、PPS相の応力と負荷応力との関係を求めた。射出方向の応力分配係数は炭素繊維で強化した2相複合材より大きく,複合材の構成相の違いによる相違が明確であった。