劈開面のカチオンを Mg2+ と K+ にしてステアリン酸を吸着させた白雲母基板に対して 20 keV の入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行い、酸性油分子の吸着構造のカチオン依存性を実験的に確認することを試みた。その結果、L = 12.1 以上の測定でCTR信号にピークが現れず十分なデータが得られなかったが、データが得られた範囲でMD計算結果に基づくモデルとのフィッティング計算を行ったところ、MD計算結果のとおり、ステアリン酸は K+ および Mg2+ それぞれで cation bridge 構造および water bridge 構造を取って吸着していることが示唆された。今後、L = 12.1 以上でピークが見られなかった原因について検討するとともに、白雲母基板と酸性油界面近傍における電子密度分布を求め、白雲母表面の吸着構造のカチオン依存性を確認する。