SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
石油増進回収技術への応用を目的とした 油-鉱物二相界面の吸着構造に及ぼすカチオンの影響2
村田 澄彦村松 玲奈井上 陽太小林 和弥米林 英治西本 尚矢清水 悠太郎高橋 悟三野 泰之加藤 正人梁 云峰増田 昌敬廣沢 一郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 2 号 p. 361-364

詳細
抄録
原油中の酸性油分子の白雲母表面((001)面)への吸着は、表面のカチオンが Na+ や Mg2+ の場合に水分子を介して吸着するwater bridge構造となり、K+ や Ca2+ の場合に直接吸着するcation bridge構造となることが分子動力学(MD)計算により分かってきた。本実験では、白雲母表面のカチオンを K+、Ca2+、Mg2+ にして酸性油分子のステアリン酸を吸着させた白雲母基板に対して 20 keV の入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行い、酸性油分子の吸着構造のカチオン依存性を実験的に確認することを試みた。今回、前回2017A1828の実験での問題点に対して対策を行った結果、L = 0.2 から L = 13.9 の範囲で概ね良好なデータが得られた。また、白雲母基板表面近傍の電子密度分布の解析結果から、白雲母表面に対するステアリン酸分子の吸着構造はMD計算の結果と整合すると考えられた。
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top