抄録
テル・エル・ケルク遺跡から出土した青色ビーズを対象に、その青の発色機構を明らかにすることを試みている。先行研究により、ビーズの基材は生物由来のフルオロアパタイトであり、青色の発色には Mn が関与している報告があった。マトリクスの状態がやや異なる青色ビーズと、ミタータル遺跡(インド)出土の青色の骨について非破壊で Mn K-XAFS スペクトルを蛍光モードで測定し、さまざまな価数の Mn 標準試料と比較したところ、これら青色の考古試料が共通して5価から6価のマンガンを含むことがわかった。また Mn と P の置換が進んでいると考えられるマストドンの牙化石を加熱して Mn の価数を高めようと試みたがこちらは成功しなかったこともわかった。