抄録
コンテナレス・ガス浮遊超高温X線回折法を用いて高融点を持つ ZrO2 の融点までの構造解析を行った。高温での激しい粒成長のため二次元IP検出器による放射光迅速測定を行った。正方晶 ZrO2(空間群 P 42 /nmc, Z = 2)の格子定数、熱膨張および c/a 軸率等を決定した。正方晶相から立方晶相への相転移点は 2430-2540℃ の間である。2200℃ を超えると相転移の前兆現象が観測される。正方晶相から立方晶相への転移点では明確な格子体積変化は観察されない。我々は正方晶相と立方晶相との間の P/T 相境界は負の勾配ではないと提案する。