抄録
タングステンめっき用の溶融塩浴の1つである Na2WO4-WO3 系に対し、高温におけるタングステンの状態を、X線吸収分光法(XAFS)で分析した。測定はタングステンの K 端を用いた透過法を用いて実施し、高温での測定を実現するために赤外線イメージ加熱炉を用いた実験システムを構築した。Na2WO4:WO3=3:1 の組成での 800°C(液体)と冷却後(固体)を比較した結果、XANES 領域及び EXAFS 領域のいずれも変化が小さいことが明らかになった。実使用環境である 900°C に対して低いために違いが見えない可能性も存在するため、今後さらなる高温化に向け改善を行う。