抄録
新しい Na イオン伝導体である Na3AlS3 ガラスをメカニカルアロイング法によって合成した。高エネルギーX線回折実験によって測定された構造因子 S(Q) にはわずかに結晶成分の残存が見られたが、ほぼガラス化された試料が得られた。全相関関数 T(r) を pair function 法によって解析した結果、ガラスの短距離構造ユニットとして AlS4 四面体が存在し、それらが形成するネットワーク構造はほぼ寸断されていることが明らかになった。さらに、Na イオンは他の硫化物系ガラスと同様に S 原子に4配位もしくは5配位されており、本系のイオン伝導性と関連していることが示唆された。