抄録
SPring-8 を利用してX線トポグラフィや有機材料の単色X線イメージングを行う場合、大面積ビームを用いることが多い。これに対し SPring-8 の白色X線は分光結晶に対する熱負荷が他の放射光施設よりも大きいため大面積ビームを実現するためには熱負荷に伴う熱歪みを低減する必要がある。また熱歪みは使用する分光結晶の反射面、結晶配置および利用X線エネルギーによっても異なることから各種条件での熱歪みの影響も重要となる。SUNBEAM 輸送部グループではこれまで BL16B2 において分光結晶の熱負荷の影響の系統的な評価および低減のためのスタディを行ってきた。本報告では本課題およびこれまで実施してきたスタディ結果を元に BL16B2 ビームラインにおける分光結晶の熱歪み評価の現状について述べる。