抄録
平面基板上に描画した反射ゾーンパターンで構成される全反射ゾーンプレート(Total reflection zone plate: TRZP)は、斜入射条件で使用することで、X線を一次元集光する集光素子である。他の硬X線集光素子と比べて作製が比較的容易で、10 nm を下回るサイズの集光が原理的に可能であることが大きな特徴である。本実験では、10 keV の単色X線を用い、二枚の線集光 TRZP をタンデム直交配置して、縦横の集光を独立に行うことにより点集光の生成を行った。暗視野ナイフエッジ走査法による集光サイズ評価の結果、縦 58 nm、横45 nm の半値幅の集光が得られた。