SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
ニッケル水素電池用RE-Mg-Ni-Al系水素吸蔵合金水素化物の結晶構造解析
土井 修一安岡 茂和石田 潤甲斐 拓也梶原 剛史夘野木 昇平
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2021 年 9 巻 1 号 p. 83-87

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抄録

 ニッケル水素電池の負極として用いられる RE–Mg–Ni–Al (RE: 希土類元素)系の水素吸蔵合金について、電池反応と固気反応における結晶構造の変化を放射光粉末X線回折により調べた。民生用のニッケル水素電池として使用実績のある合金を用いた測定の結果、主相 A2B7(2H) 相の回折ピークに関し、電池の寿命末期に近い 600 サイクル充放電を行った試料と 80℃ での水素ガスによる固気反応5サイクルの試料を比較すると、処理前の合金からのピーク位置の変化量はほぼ同じであったが、ピーク形状が異なることが明らかとなった。電池反応と固気反応では、格子歪みや結晶子サイズの観点で、水素吸蔵・放出の結晶構造への影響が異なると推測される。

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