抄録
Nd-Fe-B 系焼結磁石において結晶方位と磁区構造の関係を明らかにすることを目的とし、配向方向に平行な面において電子線後方散乱回折(EBSD)と BL25SU の軟X線磁気円二色性(MCD)顕微鏡装置による磁区観察を同位置で行った。熱消磁状態では多くの領域において多磁区粒子となっており、磁区は隣接する粒子をまたがって連続する場合が多いことがわかった。また、観察面に対し平行な磁場中で明瞭な磁区構造変化を得ることに成功した。その結果、粒子の磁化容易方向と印加磁場の角度差が大きい場合には磁壁移動が妨げられる可能性があることを示した。