抄録
正極活物質に大気中の酸素を用いる次世代二次電池「水素/空気二次電池」において、ガス拡散電極(空気極)は、酸素を還元・発生させる役割を担うため、水素/空気二次電池の特性に大きな影響を与える。本研究では、放射光を利用した高分解能X線CTを用いて、Bi2Ru2O7 触媒、Ni 粉末及びポリテトラフルオロエチレン (PTFE) で構成される空気極の内部構造の調査を目的として、非破壊観察を試みた。また、実際にX線CT像を取得しながら観察用の試料作製方法を検討した結果、試料をキャピラリーに充填する方法が良いことが分かった。測定の結果、空気極内部に触媒粒子の凝集物や大きな空隙が存在しており、空気極の課題を抽出することができた。