抄録
本報告では工業的に用いられる各種配合剤や複数のゴム種をターゲットとした。ゴム組成物に対し亀裂先端箇所の SAXS/WAXS 同時測定を行った。SAXS ではフィラー階層構造、WAXS ではゴム伸長に伴う結晶化を評価した。各種配合剤や複数のゴム種により、これらがどのような構造変化をするか調査した。SAXS ではゴム種が異なっても亀裂からの距離によらずフィラーの階層構造に変化はなかった。WAXS では、伸長量増大に伴い亀裂先端の結晶ピーク強度が変化した。また、その変化は配合剤の種類により異なり、配合剤によって伸長に伴う結晶化の進み方が異なることが示唆された。