理学療法の科学と研究
Online ISSN : 2758-3864
Print ISSN : 1884-9032
症例研究
低周波治療器の選択使用により上肢機能の改善に繋がった単麻痺患者の一症例
廣岡 一希小串 健志三和 真人
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 11 巻 1 号 p. 11_17-11_21

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抄録

 【目的】頸椎化膿性脊椎炎による右上肢単麻痺に対し,異なる2種類の低周波治療器を選択使用することにより運動機能の改善に繋がった一症例を経験したので報告する。【対象】前記疾患にてC5 領域の右上肢単麻痺,60歳代男性である。電気刺激療法を併用し135病日目より理学療法を開始した。【方法】刺激強度を出力閾値の状態に合わせ末梢神経感覚電気刺激療法と随意運動介助型電気刺激療法を用い,1日60分1回より実施した。随意運動介助型電気刺激療法は,理学療法室と病棟で本体及び付属機を使用した。評価はROM,MMT,MFT,FIM,BIで経過を追った。【結果】電気刺激療法の使用前後で上肢運動機能に改善を認め,終了後も効果が持続した。【結論】刺激強度は出力閾値に合わせ,異なる2種類の電気刺激に対応した機器の選択使用により,右上肢不使用による運動学習が機能改善に繋がり,運動麻痺改善の一助になったと考えられた。

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© © 2020 一般社団法人 千葉県理学療法士会
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