抄録
タコツボ型心筋症 (Stress-induced cardiomyopathy) は、わが国で疾患概念が確立され、世界に発信された心病態である。我々は、本症発症機序解明のため細胞モデル(カテコラミン投与培養心筋細胞)を作製し、細胞内元素動態に関する研究を進めている。本研究では、ナノビームX線蛍光分析装置の利用により、本症細胞モデルにおいて、Zn、Cu、Fe の蛍光X線イメージングを試みた。その結果、100 nm ステップでの元素分布分析が実施できた。予備実験として、測定範囲を細胞質 10 × 10 µm としたが、コントロール培養心筋細胞の Zn、Cu、Fe蛍光X線イメージング結果と比較して、各元素分布に明らかな変化を認めなかった。本症細胞モデルにおける元素動態分析には、心筋細胞全体の蛍光X線イメージングと細胞内小器官の対応を含めた研究が必要と考えられた。