科学・技術研究
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短報
「たまひよ赤ちゃんの名前ランキング」における調査方法の変化
荻原 祐二
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 11 巻 1 号 p. 43-46

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抄録
名前・名づけについての実証研究を進めるためには、直観や印象ではなく、エビデンスに基づいた分析・考察を行う必要があり、そのためには信頼できる名前データが不可欠となる。日本では、2005年から2021年まで継続して大規模な調査を行っている「たまひよ赤ちゃんの名前ランキング」が重要な役割を占めている。しかし、2019年から調査の方法が変更されており、サイト上では明記されていない点に注意する必要がある。特に、経時的な変化を分析する際には、対象そのものの本質的な変化なのか、調査方法の変化によるものなのか判別し、対象の本質的な変化を的確に捉えるためにも、調査方法の変化は正確に理解しておくべきである。そこで本論文では、「たまひよ赤ちゃんの名前ランキング」における調査方法の変化について説明した。2005年から2018年までの調査と比べて、2019年から2021年の調査では、調査対象が質的に広くなっており、それに伴ってサンプルサイズが大幅に増加していた。また、調査結果の公開範囲が2019年以降は限定的になっていたと同時に、得られたデータとは独立した論拠から、名前の紹介や考察が行われるようになっており、それまで可能であった定量的な分析が困難となっていた。これらの情報は、「たまひよ赤ちゃんの名前ランキング」を用いて分析・考察を行う際に有用となる。
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© 2022 科学・技術研究会

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