抄録
様々なスポーツにおいてビデオ判定が導入されており、サッカーのVAR、バレーボールのチャレンジシステム等が適用されている。武道の分野では、柔道で2007年からビデオ判定を本格導入している。また、剣道においては、2011年4月に「映像判読訴請規定」として導入され、映像による判読が実施された。剣道を対象とした映像による判読方法は、カメラを3台使用し、審判主任を含む訴請委員3名から5名によって判読を行った。しかし、実装は3大会のみに留まっており、実用化には至っていない。既存研究では、センサやマイクロホンの使用や、直上からの撮影により、聴覚情報と視覚情報から高精度な判定を試みている。しかし、これらの機材を使用できる環境は限られており、地方の小規模な大会やカレッジスポーツ等での導入は難しい。そこで、本研究では、剣道を対象とし、実際の審判員を想定した位置から撮影したカメラ映像を入力として、ResNet-18を用いて学習及び評価を行う。そして、複数方向からのカメラ映像を用いて有効打突の判定を行い、提案手法の実現可能性を検証する。