科学・技術研究
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原著
炭素繊維織物複合材料の繊維ハイブリッド構造が力学的特性に及ぼす影響
田茂井 勇人迫田 健太郎魚住 忠司大谷 章夫仲井 朝美
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2015 年 4 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

繊維強化プラスチック(FRP)は強化繊維、樹脂、界面の要素より構成されているが、単一の繊維および樹脂からなる複合材料では発現し得ない物性を材料に付与するため、特にハイブリッド複合材料に関して多くの研究がなされている。繊維ハイブリッド複合材料は、一般には2種類以上の繊維を組み合わせた材料のことを示している。同じ繊維材料を使用しているが、繊度や撚糸状態等、構造が異なる繊維材料を1つの強化形態内で併用するハイブリッド構造を、本研究では“繊維ハイブリッド”の一種と考えた。テキスタイル技術には撚糸と無撚糸を組み合わせた「ちりめん」がある。この「ちりめん」を強化基材に用いることで、繊維構造ハイブリッドによる新たな特性や機能が期待できる。本研究では、ちりめんの構造を適用した炭素繊維織物複合材料のたて糸方向に対する引張方向および撚り数が、初期破壊発生応力に及ぼす影響を検討し明らかにした。次に、上記複合材料の強化形態のよこ糸を変更し、よこ糸に撚糸と無撚糸の交互配置とした場合、さらに、ガラス繊維を用いた場合の2種類の繊維ハイブリッド複合材料において、撚り数の初期破壊発生応力に及ぼす影響を明らかにした。また、初期破壊発生時のよこ糸撚糸の見かけの繊維束内界面強度を算出し、よこ糸撚糸の撚り数との関係を明らかにした。

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