口腔・咽頭科
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原 著
幼小児の睡眠時無呼吸症候群に対する当科の検討
西村 洋一北中 隆広中山 敦詞加藤 一郎鈴木 賢二
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2010 年 23 巻 2 号 p. 175-182

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抄録

幼小児期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (Obstructive Sleep Apnea Syndrome以下OSAS) はこれまで様々な診断基準があり統一されていなかったが, 2005年に初めてICSD2 (International Classification of Sleep Disorders 2nd)1 により診断基準が提唱され, 小児においてもPSG (Polysomnography) 検査が標準化された. 今回我々はそれに沿って診断された幼小児睡眠時無呼吸症候群についての年齢, 身体発育 (体格), 無呼吸低呼吸指数 (AHI: Apnea Hypopnea Index), 重症度分類, 低酸素暴露率 (DR: Desaturatuin Rate), 術後の改善度, 睡眠構築の変化について検討を行なった. 症例は男児, 重症例が多く, 手術 (咽頭扁桃切除術, 両側口蓋扁桃摘出術) の後にPSG検査を施行できた症例については, 呼吸イベントは改善傾向を示したものの依然全例がAHI≥1であった. PSG検査を行なった6例中4例で深 (徐波) 睡眠の割合が手術前より増えていた. 術後の身体の成長改善の兆しは深睡眠の増加に伴うものと推測した.

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© 2010 日本口腔・咽頭科学会
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