2012 年 25 巻 1 号 p. 23-28
外科手術のピットフォール
1. UPPPの術後長期予後は悪くない. 若いOSASのCPAP使用患者の中にもUPPPや他の手術でCPAPが不要になる患者は存在する. またCPAPが続けられない患者に咽頭や鼻の手術の危険性とともに手術の効果を提示し患者に次の治療手段を提供することは大事なことである.
2. UPPPの手術に関しては軟口蓋の筋層には切り込まないこと. 上側方の前後口蓋弓の縫合部分は一度, 針糸をかけてみてどの部分をひっぱれば側上方が開大するかやってみると良い. 前後口蓋弓の縫合部分は無理な緊張がかかったり, 縫合が不完全だと術後離解の原因になる.
3. OSASにおける鼻手術は単に鼻閉を取り除くだけの手術ではない. 睡眠の質を改善させることによって昼間の眠気をとり, 症例を選べば無呼吸自体を治癒させる.