2012 年 25 巻 1 号 p. 29-34
睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の簡易モニターによる診断, オートPAP (自動気道陽圧療法) による治療という簡便な方法が, 耳鼻科医の間でも広まりつつある. 簡易モニターは自動解析の精度の低さ, スコアリング基準やセンサーの選択にてイベント判定が変化する, 睡眠中か覚醒中か判別不可能, 循環呼吸器疾患合併例では使用不可などのピットフォール (盲点・落とし穴) が存在し, オートPAPではイベント検出の精度の低さ, 循環呼吸器疾患合併例では使用不可, 客観的睡眠の質の改善に対する把握が不可能, 圧の上昇下降により覚醒が生じやすいなどのピットフォールが存在する. SAS診療を行うにあたり, ピットフォールに十分な配慮が求められる.